さばかりの事

止せ止せ問答 とある人間のブログ

気晴らし

喧嘩した友人よりは、長い付き合いの友人と会ってきた。

言わば、その友人は喧嘩した彼女と正反対の性格だ。正しい事は正しい。正義が人の形をして歩いている、と言った様な人間だ。何としても、人に死ねと言わなそうな人間だ。

その友人も、教員の資格を取ろうと授業を受けている中で唯一生き残っている人間で、今も孤独に闘っている。最近は寮を出て一人暮らしをし、体重が数キロ減ったという。友人もまた、ここ数日何も食べていなかった。

友人は私と違い、食に喜びを持ち味覚の分かる優秀な舌を持っている。それも彼女の母親のおかげなのだが。

その母親は、話によると昔から人間が出来た方で悪いことは悪いことで、それで人が困ることはしてはいけないと教え込み、尚且つ優しく育てた。だからこそ、彼女は異常なほどの心配性と諦めて努力することを兼ね備えた、将来鬱にならないか少し心配だけどもよくバランスとれた人間が出来上がったのだが。で、母親がどのくらい出来た方だというと彼女が小学生の時に治安が悪く問題児ばかりの学級だったそうなのだが、その学級の問題児に授業参観の時に気にかけて話しかけるほどだ。尚且つ、その児童が何故そんな風に人を傷つけたりするのか、彼女に教えた上で接していた。

まぁ、誰かを傷つけるのは、何処かで誰かに傷つけられたからに決まっているのだが。

そんな方だから、未だお会いしたことはなくとも、会ったこともない私にさえ気をかけてくれる。少なくとも、娘とよく食事をしたり遊び歩いてる私に感謝しているらしい。

で、その友人には、私はこれまで喧嘩した彼女のことは話したことなかった。というよりも隠してきた。

自分は友人が誰かと仲良くしているのは少し寂しいし、何より二人が仲良くなってしまった時、私がすべての友情すらも壊してしまう可能性があるからだ。昔から、三人で遊ぶのは苦手だった。一対一でないと気がすまない質だ。だからこれまで黙ってきたし、彼女と遊ぶために友人に嘘もついたこともあった。

だが、覚悟して打ち明けたところ、友人は全くとしてそのことを気にしていなかった。寧ろ、自分といる時の私も、他の誰かといる時の私も、私であることに変わりはない、と言ってくれた。人によって自然とキャラが変わってしまう私にとって、どれだけありがたい言葉だったか。友人と話す一時は、数日前より泣き荒れていた私の心を癒した。

 

そこで、話しているうちに決めた、というよりも友人が言ってくれた。

当分、喧嘩した彼女とは距離を置くこと。少しずつでいいから、自分の変われる様になること。彼女との関係は切ってはいけないこと。少しずつでいいから、考えること。今はとにかく落ち着いて、少しずつ良くなること。

 

少し、明かりが見えた。

ただ、それと同じく実感したのは、彼女の影響がどれだけ私に大きかったのかという喪失感だった。ファミレスで話したのだが、サラダを頼んだだけで、そのサラダでさえあまり身体が受け付けなかった。本当にこんなことは初めてで、心の中が虚脱に襲われるってのはこういうことなんではないかという。

今は彼女とのことを思い出すと怖くて仕方ないが、いつかまた話せる様になりたいと思った。

 

とにかく友人と会ったことは、有難いことだった。

また、帰り道に少し立ち読みして自信をつけさせる本を読んだ。

そしたら、自分がしてあげたもののその見返りは求めてはいけないと。それを嫌だと思う人もいる様に感謝の尺は違うのだから。

何だか、とても立っていられなかった。反省した。また自業自得な仲違いなんだが、結局私は人を傷つけていたに違いないと思った。また、自分は何を期待しているんだお門違いも甚だしいと思った。この結果は普通に当たり前だった。何を夢見たいのか。夢を見ていたのは初めてのことではないのだが。

坂口安吾の『恋愛論』を思い出す。

人は恋愛によっても、みたされることはないのである。何度、恋をしたところで、そのつまらなさが分る外には偉くなるということもなさそうだ。むしろその愚劣さによって常に裏切られるばかりであろう。そのくせ、恋なしに、人生は成りたたぬ。

その通りなのかもしれない。

 

で話は変わるが、私は変わるのが、 「痩せて見返す、綺麗になって見返す」のではなく、自分の為に自分の幸福の為に変わるのだと誰の為でもない自分の為に変わるものだと思う。当たり前のことなんだろうが、余程そっちの方が健全な気がした。

これは単純に痩せて見返せという人間に対しての反論だが。誰かの為に痩せるのは結局支配されているのと同じではないのか?癪だ。

 

これ以上長く書くとまた、文調が辛気臭くなる(自分は、それを読むと似た様な口調…もとい文調で文章を書く癖がある)のでここらで締める。

 

類稀なる良き友人に出会えた感謝と友人への感謝の気持ち、

また、この健全な気持ちを忘れない様にここに記しておく。