お年玉が胸に消えた話
（※お年玉とある通り、2021年1月に書いた記事です）
FTX寄りのぽっちゃりクィアが何年かぶりに胸のことを気にしてみた話
先に申し入れるが、途中男性を愛す女の目線があります。見たくない人はここで引き返すんだ。私には女のような気持ちもあるし、男の様な気持ちもあるし、女性を男性的な目で好きな自分と、男性を女性的な目線で好きな自分がいます。割と赤裸々なので引き返すなら今。
2020年12月25日、魚座の私は感情がグラグラ揺さぶられて泣いた。女王蜂のアヴちゃん聖誕祭オンラインライブを見て、感情が色々入り込んできたのだ。
まぁ、何言ってんだこいつと思う人は上のyoutube見てくれ。これを自称HSPが見れば入り込んで感情が駆け巡るから。少なくとも私はぼろぼろに泣いた。
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そしてライブの中、平たい胸元埋まった大人をあやし春を売る｢雛市｣を聴きながら泣き腫らした頭でふと思ったのは｢数千円で済むのならブラジャーとナベシャツを買ってこの胸の違和感に決着を付けよう｣だった。諭吉一枚で済むのなら、そう悩んでることないのかもしれない、そう思った。
注射は一本3万円に比べたら、きっと安い。
ここまで読んだ人はこれまでじゃあお前は何をつけてきたんだと仰るだろう。私はずっとスポブラ生活を送ってきた。多分普通のブラの形は初っ端でやめた気がする。というのも、中学時代、機能不全家族のモラハラ祖父母＆父の性格がうつり、友人達をモラハラで嘲笑った挙句、ある日私は透明人間になったからである。言い換えるなら総スカンだ。当たり前の結果だった。自分はそれくらい、最低な人間だったし、今も気を抜くと最低な自分が顔を出す。
だから第二次性徴期は“女”の友人はそこまで居なかった。生理の始まらないうちは、誰々が生理始まっただの、○○ちゃんが一番胸大きいよねなんだの小学生の頃は話していたのに、肝心の生理が始まった後は誰も居なかった。生理と始まった時期と同時に訪れた血小板が減る病気によって、ものすごく出血が収まらないのも、血尿レベルに血の量が多いのもこれが自分の量なんだと思って発見が遅れたくらいだ。今みたいに身近にインターネットもなかったし、女の身体、女の衣服のことを聞く人もいなかった。勿論、雑誌なんか買う興味もなかった。あんなの、東京の都会の人間が買うものだと穿って考えていた。
え？母？あんまり信用してない。昔アパレル店員してたなんて嘘だろと思う。眉毛を書くという事も知らんところから、多分まともなメイクの知識もないんじゃなかろうと今は思う。
病気が少し収まって、中学3年生。どちらかと言えば男共の方が近くにいたし、病気の薬の副作用で激太りと情緒不安定が同時に来、気が付けばそこでようやくLGBT(といってもGの存在だけをうっすらと)認識した。疎遠になった同性の友人の中の一人に異常に執着して好きだったのだと認識したのは彼女達と離れて高校生になってからだった。その頃まで女は男と恋愛するものだと信じ込んでいた。
その辺りの頃から何となく、ブラジャーのあの形や過剰なフリルが恥ずかしく、締め付けがきつく、白く平坦だったスポーツブラは黒や灰色といったスポーツブラになった。勿論胸のサイズもまともに測った記憶はない。その後、大学生になってようやくふくよかな体型の何でも話せる友人が出来、下着はどこで買うのかと話が出来た。
いやしかし、これまでしまむら以外で服の買ったことの無い田舎者にとって、スマイルランドのブラは高く思えた。そのうちにしまむらでラファーファコラボのブラが売られ試してみたが、これもきつい。そもそも胸のサイズをまともに測ったことなどなく、その時はブラと自分の胸の大きさを手でなんとなくこのくらいかと思って買っていた。勿論、合うわけもない。
そこでここ1年は、無印良品の縫い目のないブラに落ち着いていたのだ。縫い目がないって最高だなと思った一年を過ごしていた。
初めてのまともな計測
しかし、私にも春、とまでは言わないがそういうことをする男が出来た。ここから惚気話だ飛ばせ。
何年かぶりに男性というものを好きになった気がする。断じて、彼氏ではない。セフレもどきだ。実際、会ったことないし。始まりもない。
ま、そこで彼に画面越し「胸大きいよね、(ブラの形してる)ブラつけてるところを見てみたい」と言われたのだ。
待て、この脂肪の塊のどこがいいのか。脂肪の塊なら私と君のお腹にもついてるし、何なら君の胸周にもついてそうだろうが。
という、言葉を飲み込んで、この際、はっきりさせようかと思ったのだ。
そしてこの前、ワコールのホームページを見ながら初めてまともに胸のサイズを自分で測った。
トップ100の アンダー 92
判定結果:A90
お前、胸大きいよねって言ったやんな？？？？？
どっちかっていうと私はそこまで豊満じゃない子の方が好きだが、Aだぞ。
（まぁそれはいいんだ、前戯も忘れる童貞だから仕方ない。一生言える機会があるなら言っておこう。女の穴を何だと思ってるんだ馬鹿。ワイが初めてでよかったな？引っ叩かれるぞ。女に優しくしない男はワイが許さんぞ。
てか何？人が捨病鍵垢で「何年かぶりにブラの形してるブラつけたら違和感ある」って言ったら普段反応しないくせにいいね付けやがって。メンヘラになったるぞ。）
A90ってどこにあるんです？
話を戻す。サイズが分かったとこでワコールのネットストアを開いた。
まぁ、ないよね。あってもセミオーダーか術後下着じゃん？
目的は、違和感をはっきりさせようだし。合うかもわからん高いもの、一か月も待ってらんないよな。
そういうことで、とりあえずプロのいるであろうワコールのお店に母と行った。
お正月の初売り気分、ワンルームより狭い店内に３、４人の店員。
「ゆっくりご覧ください」
その眼には、「お前のサイズなんかないよ」っていう、無言の威圧。
聞けないよ。なんかキラッキラしてるし。恥ずかしいし。
デブがいつも感じるあの空気。捻くれてることは分かってる。でも事実サイズ置いてないじゃん。
アンダー75が最高じゃん？23.5が上限の靴屋みたいな。
靴屋はまだましか。サイズあるからまだ、ユニセックスもの履けばヒールはないけど履けるから。でも、ブラジャーにユニセックスなんてないじゃん。
まって。
これうちながら、ユニセックスもののブラジャーってあるよなと思い出し、
「メンズブラ」で検索した。めちゃくちゃA90あるじゃないですか。コントか。笑いがこみ上げてくる。
いや、これありかもしれん。すでにボクサーパンツは似た形のものは履くし、金入ったし褌買おうと思ってたところだ。あれ、でもメンズブラのアンダーって乳首すぐ下なのか。どうなんだろう。身体が女の自分が、つけて合うモノなのか？
話を戻す。ワコールにいった後、結局、母に言われてしまむらで3Ｌのフリーサイズのブラを買った。その帰り道、母曰くリアルフワちゃんとか言われたが、フワちゃんはもっと可愛い意味でスポブラつけてるじゃんか。
家に帰って買ってきた3Lのブラをつけた。
きつい。とてもきつい。血管が痛い。リンパが悲鳴をあげているってこういうこと。
そして、なんだか鏡に映った自分が気持ち悪い。
母に慣れ、と言われた。慣れるものなのこれ
アンダーはきつい癖に胸の部分はぶかぶかなのだ。
姉妹サイズというものが世の中にはあるという。しかし、B85はきついし、勿論AA95なんて尚更お店にはない。というか胸の体積だけでいえば、カップサイズなんてどうでもよくなってくるのか。それでも世の人はAだ、Cカップだ、なんだうるさいのか。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/madoka/jikkenn/syougeki.html
その夜、少しだけ泣いた。
これまで自分が胸に無頓着でいた弊害というか、戻らぬクーパー腺というか。
泣きはらした頭でナイトブラをポチッた。
あと泣いた原因は何より、いつか件の彼と身体を重ねた時、小さいって思われたらどうしようってこと。いや体積は一緒だって分かっちゃいるけどまさかAだと思っていなかったからショックがでかかった。何だかんだ、自分もよく分かっちゃいないんだ。
何気にいつも彼のサイズに対してちゃちゃを入れることに謝るlineを入れたが、あまりにお粗末なので送信取り消した。
お互いに、これ以降異性の身体を見るということはありそうにないけれど、それでも、彼が見る女の裸は私が最初で最後になればいいのに、と思う。
ああ、自分の何かしらに自信が無くて、処女が好きという男の気持ちが少しだけ分かるかもしれない。向こうも同じ気持ちだったらいいのに。
彼にそんなことを期待するのはお角違いなのは分かっている。
付き合ってすらいない、この関係なのにさ。
ほんと、生活時間帯が違うから連絡すらままならない。私が社会人になれば少しは時間が合うのかな。
でも、無理矢理彼のことを好きになってやしないか。
生活に彩りがないから、彼を利用して少しだけ恋愛麻薬で幸せになろうなんて。
だけど、この半年、世界は止まったままの中、普段止まったままの私の身体が進みだしたような、その変化は君がくれたんだよ。
けど、きっとその先に君にはないんだろうな。
ダイエットできるように、私が１キロ痩せるごとに電話して欲しいと頼んだけれど、1キロ痩せる間に起こるストレスで食べちゃって間に合わないんだけど。
きっと君と私の間には何もないんだよな。こんな、自認もあやふやな人間より、シスの綺麗な人の方がいいよな。と思ってしまうし、悔しいと思ってしまう。
でも、だからといって純粋に女らしい人間になれるかと言うたら、それは何か違和感を感じてしまう。
だからこそ、信頼していた友人に襲われかけた過去を持つ昔好きだったあの子に、同じ女の身を持ちながら男にも女にもなれず醜いままで、男的な目線で女性として好きになった行為はとても残酷で酷いことだと改めて思う。
酷い。
だからなんか、トランスの人達に引け目がある。こんな自分が、どちらかというと女に近い男側になりたい自分はおかしいのではないかと。ごめん、あの日と同じ。自分が醜いのに、化粧もせずに痩せもせずに、まだ髪の長い男に憧れている。
まぁ、そんなんでいつまでも過去のトラウマを今更何度か目にここのブログでひっくり返しても仕方ないので。
話を戻す、どこまで話したっけか。
そうだ、しまむらで買ったフリーサイズの3Ｌブラがあまりにきつかった。
そら、母親譲りの鳩胸なんだよ。これもう、痩せたところで背中の肉減ってアンダーが10も落ちることなんかねぇよ。 でも、下着売り場の上限は75くらいだし、じゃあぽっちゃりサイズをと調べるとグラマーしかないんだよ。ぽっちゃりでもAカップはいないのかよ。肋骨絞ると折れんじゃねぇかとこわいのよ
故に結局、安物でいいからとしまむらのと同じくらいの値段のA90のブラをAmazonで買ってみたのだった。
A90のブラが届いた。
結論、楽だ。リンパが解放されている。胸もぶかぶかしない。軽く感動した。
相変わらず、レースはちょっと苦手だが、この前のブラよりも色も地味で断然落ち着く。胸が小さいのもなんか落ち着く。前よりも違和感は少なかった。これはこれでいいのかもな、なんて思った。ブラの形したブラに変わりはない。
ナベシャツが届いた。
大雪の中、一生懸命ヤマトさんが届けてくれた。ごめんな、こんな生活必需品じゃないものを期日通りに下道で届けてくれたのだろうか。
そんな大変な中、届いたナベシャツをこっそりとお風呂に入る前につけてみた。
結論とすると、胸をつぶす前に肉が無理。アンダー92の肥満鳩胸を舐めるな。
胸をつぶす前に、アンダーのところからがホックがつけられない。
指を犠牲にしながらもやっとのこと、全てのホックを留めた。その結果が以下だ。
左側が鍋シャツ着用、右がブラ着用した時の写真だ。
比べてみれば胸は潰れた。
しかし、胸がつぶれた事で分かった。胸で見えなかった出っ張ったお腹が見えるようになった。腹がヤバい。
これまでシルエット的に隠されていたものが露わになった。
鏡に向かって「痩せろ。」と言った。
でもそこそこ、ニヤニヤもした。ニヤニヤしたのはいいが、胸よりも腹の問題を解決しないといけない。
こうして私のナベシャツデビューは終わった。
痩せたら男着物着る時つけよ.......と心に誓い。
忘れかけていたナイトブラが届く。
泣きはらした状態でポチッた為に半分忘れていたものが一番最後に届いた。クレカは便利だけど、物欲にブレーキが利かないからよくない。酔っぱらった衝動買いとか怖そう。
夜寄るブラ+Plus｜豊富な11サイズ展開 - 人気のナイトブラ【HEAVEN Japan】
購入したサイズはフリーサイズの3L。しかし問題はここにくっついてきた冊子。
この会社は補正下着を売っている。そこで紹介されていた胸の測り方が、バストトップを測る時は、90°にお辞儀をして測るという。
因みにワコールのHPには垂直に立ったまま測ると紹介されている。
試しにお辞儀して測ってみたらトップが107cmあった。これだと私のサイズはC90になる。Aカップの人間がCカップになる。もはや何を信じたらいいのか分からなくなってきた。
折角届いたからナイトブラをつけてみる。悪くはない。悪くはないが乳首の抑えが無い。もしかして3LGでした？いや、それもぶかぶかか。もうようわからん。めんどくさい。
まぁ、これでしばらくはA90のブラをつけ、夜にはこのナイトブラをして、時々ナベシャツ着けてニヤニヤして、ダイエットするかと思っていた、
その矢先にTwitterで流れてきたツイートが以下だ。
乳腺科の医師が『バストの下垂にブラはほとんど関係ない。寝返りぐらいじゃクーパー靭帯は切れない』って言ってても、ナイトブラや補正下着業界が科学的根拠もなく不安を煽ってることで、我慢しながら苦しいブラを着けてる女性が増えていくのが本当に本当に悔しい… pic.twitter.com/98VjciVqbq
— こじみく👙24hブラのプロデューサー (@milkonPANDA) 2021年1月10日
もう何を信じていいのか分からない。
信じられるのは、大胸筋しかないのかもしれない。そう、筋肉は一生の相棒。
リングフィットアドベンチャーの箱開封した時に任天堂が笑わせてきたではないか。
しかし、その筋肉を鍛える時、胸には何をつけて鍛えればよいのだろう。
なんかいつも汗でびちょびちょになるからスエットと件の無印スポブラ？でリングフィットやってるけどそれもどうなのか。正解は分からない。
スポーツウェア買った方がいいのかな。ま、それは次の機会にしたい。とりあえず疲れた
追記
大きいサイズのあるお店に行ってみた
上の記事を書いて1週間後、
クレジットカードの引き落とし元であるイオン銀行のATMにお年玉の諭吉をぶち込みに行ってきたついでにイオンの下着売り場に行ってみた。
元々地元の大きいサイズを置いてある店舗を正月以降調べてみてイオンにあるとは認識してた。全国店舗ってのは強いよな。
ただ店頭にはA90なんかあるわけなかった。
店員さんもお探しのサイズありますか？と話してきたが、逆に試してみたくなり
｢トップ100のアンダー92なんですけどA90ってあります？｣
と聞いた。まぁ無いわな.......やめて、店員さん同士でも相談するん.......わいが悪かったごめんて、と反省していたところ、店員さんが
｢サイズ測ってみます？｣
と聞いてきた。この際なので測ってもらう事にした。
その結果出てきた答えは。
｢C90かD90のあたりかと思われます｣
最初からここに来ればよかったのでは？？？
私の苦労は何？
え、もう誰のことも信じられない.......
人間不信に陥るぞ。世の女性達ってこんなに右往左往させられてるの？？自分の体のサイズに？？？いや、それは男も一緒なのか。
でもこんな、右往左往させられて、一喜一憂して。は？人間大変だな。おっぱい好きなんならもっとおっぱいのこと調べて優しく扱えや。
結局、このご時世にフィッティングさせてくださった。
若いんだからピンクをつけなさいという、付き添いの母と揉めながらも、試着させてもらったピンクのブラジャーを拒絶して、刺繍が綺麗なグレーのブラジャーを選んだ。お値段、税抜き6100円。母は水商売みたいって言われたけど。誰に見せんのって言われたけど。
（おかんの知らんところで見せる人間出来たんや。とは言えないがな。）
店員さんに先程つけたピンクの下着を洗い替えとして勧めてもらったがそれを拒んで、その一つだけを買ってきた。このご時世なのにごめんなさい。でもいきなり、淡いピンクなんてハードル高いんや。
気がつくとボールペンの色から、リアルマネー関係ないどうぶつの森の服、お風呂洗うスポンジまで灰色を買ってしまう私だ。せめて、大好きな色で馴れさせてくれ。というか、めっちゃ綺麗やったんや。これ。見てめっちゃ綺麗やん？？？
ウイング／レシアージュ 【Ｄ〜Ｈカップ展開】バストをしっかり包み込むフルカップブラ フルカップブラ PB5090｜ワコール直営の公式下着通販サイト Wacoal Web Store
ワコールのバストサイズのカルテに書かれたD90。不思議だ。
あんなに右往左往して泣いていたのに、Dなんか。
てか姉妹サイズにあるのがG75.H70とかやばいな、胸の体積的には同じだということが衝撃的だ。
胸のサイズで他人に向かってとやかく言う人ってなんなんやで。何様のつもりや。ほんと。自分含めてクソやんか。ははは。
翌日、鏡の前
太宰治の『女生徒』の一節にこんな文がある。
きのう縫い上げた新しい下着を着る。胸のところに、小さい白い薔薇ばらの花を刺繍ししゅうして置いた。上衣を着ちゃうと、この刺繍見えなくなる。誰にもわからない。得意である。
鏡の前、こんな気持ち。冬場に行うペディキュアみたいな。女の人にとって本当に自分の気に入った綺麗な下着は御守りみたいなものなんだろうと思った。誰にも見せないけれどそれだけをつけてるだけで何だか少し自分を愛せるようなシロモノ。それが、衣服であれアクセサリーであれ小物であれ、ネイルやメイクであれ、本当に気に入ったものは御守りになる。
また、『女生徒』を引用するならこんな一説もある。
洋服いちまい作るのにも、人々の思惑を考えるようになってしまった。自分の個性みたいなものを、本当は、こっそり愛しているのだけれども、愛して行きたいとは思うのだけど、それをはっきり自分のものとして体現するのは、おっかないのだ。人々が、よいと思う娘になろうといつも思う。
彼女は人目を気にしている。自分の個性である、白い薔薇をこっそり愛して、それでいて表面には出せずにいる。
私だっておっかない。今は慣れたけど、ちょっと前まではダークトーンのネイル、奇抜な色のネイル、ただそれが綺麗な色だから落ち着くだけだからしたいのだけど勇気がなかった。家族に血豆だのなんだの今でも言われる。だって、塗ったか塗ってないか分からないピンクよりバキバキに決めた方がネイルって感じがするし、その方が私だ。ネイルをする理由は数あれど、まぁ、私が一番人に負けない美しい部分が顔でもなく、体でもなく、爪の形ってのもある。身体は自分で痩せたりしなきゃだけど、爪は月イチで人に2時間やってもらうだけでとても楽。自分の身体に一つ、綺麗なところがあるだけで、本当にお気に入りの誇れるところがあるだけでとても嬉しくなる。
自分の落ち着く姿になる、には勇気がいる。勇気が無いのが悪いことじゃない。人の目は本当に怖い。しないもするも個人の自由だ。そこに偉いも偉くないもあるわけない。そもそも人が言うことじゃない。それが今回、下着にお年玉をとかして、辿り着いた結論だった。
下着を買ったのも最初は彼との共通話題が欲しかっただけだし、母親の安堵の顔が見たかっただけだし、
でも、自分の理想の姿を頭で想像した時に下半身に陰茎がついていたとしても、
それでもこの下着をたしかに気に入ったのは私の意思だ。
不定性Xジェンダー？かも、と思いながらも、男の子を好きになったのも、
上はグレーのブラジャーをつけながら、下は真っ黒な越中褌をつけるのも、
個人の自由。
もう、それでいいんだよ。
それも、私なんだよな。
もっと自由になりたいな。
